06306 shioの授業に出席できなかった学生が自習する方法
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前期はオンラインだったものの後期は完全に対面授業に移行した通年開講の「民法1」を履修している1年生のうち、後期から健康上の理由でときどき授業に参加できない日がある学生より、「塩澤先生の民法の授業では所謂レジュメがないため、どのように自習したら良いでしょうか。何か良い案があればお教えいただけますよう、よろしくお願いいたします。」との大変丁寧なメイルをいただきました。
それに対してshio.iconが書いた返信を、固有名詞など一部編集のうえ、掲載します。
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おはようございます。
朝早くから、丁寧なメイルを頂戴し、どうもありがとうございます!!
金曜日にカウンセラーの先生と電話で話しましたのでご事情はよく理解いたしました。僕の授業を楽しんでいただいているとのこと、うれしいです。
ご承知のとおり、私はホンモノの「授業」を行なっています。一方的に「講義」する教員のようにあらかじめ用意する筋書きやスライドはなく、すべて学生との生きた対話とリアルタイムの板書(作図)によって内容が進展していきます。学生に「業を授ける」のが「授業」ですから、教室は学生たちが考える、書く、議論する、発言する、論述する、といった各種のアクティビティを行う空間です。そのため、過去20年以上、紙に印刷して配布する「所謂レジュメ」はございませんし、今後も原理的に作ることができないのはご理解いただけるかと存じます。 一方、その授業のライブ感がそのまま伝わる媒体としてオンラインの「Scrapbox」を活用しております。これは前期と変わっておりませんし、今後ももちろん継続いたします。 毎回ご覧になっているものと思いますが、念の為、授業用のScrapboxである「shio lectures」のURLを記載いたします。 ここには毎回、学生たちから提出されたReaction Paperすべてにコメントを書き、内容の如何を問わずすべて(1枚も省略せずに)掲載しております。毎回の授業においては、前半はその解説をしておりますから、どのような質問が学生から出て、それに対して私がどのような回答をしているのかお読みいただけます。またその内容すべてに目を通していただければ、前回の授業でどのような内容が扱われたのか、該当する条文はどのあたりか、学生たちの記述から読み取れることと存じます。学生目線で率直に書かれていますから、体系立ててはいないものの、むしろ「所謂レジュメ」よりわかりやすいかもしれません。 そこで自習の方法といたしましては、学生たちからのReaction Paperやそれに対する私のコメントにある内容をすべて読み、そこから該当箇所の条文を開き、前期に詳しくお伝えしみなさんでトレイニングした「条文の読み方 7 steps」を用いてご自身で条文を読んで(書いて)いき、法的三段論法を用いてshio図を描くなどしていくのがよろしいかと存じます。他の学生もそのように自習しているはずです。 1. 条文を読めるようになる
2. 条文を使えるようになる
3. 条文を作れるようになる
です。「条文の読み方 7 steps」を地道に実践していけば、着実にこの3つの力が身についていきます。授業内でお伝えしトレイニングしているのもその手法です。 したがって自習にあたっては、Scrapboxで授業の内容や雰囲気をつかみ、該当箇所の条文について7 stepsを実践するのがよいでしょう。
例えば、次回(12月6日)の授業用Scrapboxは下記です。 お読みいただければ、前回(11月29日)の授業内容がわかります。それ以前のものも、 にすべてあります。
いかがでしょうか。
非公開の「所謂レジュメ」より、すべて全世界に向けて完全に公開されているScrapboxの方が、こうして誰でも読めて簡単にシェアできて便利ですね。内容の分量も、1回分に僕が書いた内容だけで約3,000字、学生たちの記述部分まで含めると12,000字以上あります(前期の「民法IA」は学生提出分もテキストなので文字数をカウントできます)。「所謂レジュメ」より内容も豊富なのではないでしょうか。どうぞお楽しみくださいませ。 https://flic.kr/p/2mJ6XcL https://live.staticflickr.com/65535/51672281998_4218e28459_3k.jpg